大宮でジーンズを丸縫いしております。
1995年亜洲’S(アシューズ)創業の後、2001年21世紀の始まりと同時に、現さいたま市大宮の地に入りました。
小さな店内はその半分以上をヴィンテージミシンで埋め尽くし、店内工房としています。
世界にジーンズをワークパンツとして広めた著名ブランド(米)は、その昔、一本のジーンズを縫うのに8~10種類の縫製機械を、縫製箇所に基づいて開発、使い分けてきた歴史があります。今では高機能、高速度化された為に3種類のマシンに統合されていると聞きますが、創業時と現代とでは綿花生産、紡績、染色、機織から縫製まで、全てが違い過ぎるほど異なる現代ジーンズであることは、想像に難く有りません。
そこでまず、昔ながらの縫製機械であるヴィンテージミシンを使ってデニムを縫うことのアプローチにチャレンジしました。30~40年代リーバイスのファクトリーで使われていた、8~10種類の工業用のヴィンテージミシンを揃えて縫製すること。それらのミシンに見合った糸のテンション等のシビアなセッティングによってもたらされる、縮率による縫製部分の経年変化が大きな狙いです。そのようなアプローチによってゆっくりと丁寧に縫っていく品質が、全てそのままデニム製品に封入されていくことでもあります。
また、もうひとつの大きな特徴としてのパターンへのこだわりです。それは細すぎず太すぎないシルエット、深すぎず浅すぎない股上、飽きずに長く着れるもの、ワークやミリタリーのみならずモードの服とあわせても野暮ったくならないもの、そんなわがままを追求しました。これはパリコレクションや東京コレクションブランドのパターンを手掛けているパタンナーさん(友人で、過去リーバイスのビンテージパターンを研究しているプロフェッショナル)の力を借りて、試作を重ねて出来上がった自信のカタチです。当時を完全コピーするといったアプローチではなく、現代から未来において、意識を含めてアップデートすることのチャレンジでもあります。ぜひ一度店頭にて裾を通して体感して欲しいと思っております。
経年変化(落ちや色)に徹底してこだわったデニム原反の選定調達(Cone Denim, 岡山Denimに変遷、現在は岡山井原Denim 14oz.を使用)、あらゆる部品調達から、縫製、製造までを全て行っています。
大量生産、大量消費は、第二次大戦後の日本にとってはとても大切な考え方であったと思います。多くの人が出来るだけ早く、生活も心も復興を遂げる戦略として、国家プロジェクトで企業と社会が一体になって進めてきたもの。
昭和、平成と続き、令和へ、人の価値観が多様性と個性を重視する方向に進み、より成熟した日本社会に変わりつつある今、小さな小さな、無名の職人が縫うジーンズを「面白い」と思ってくださる方が、大宮にある亜洲’Sに来て頂けたら、これほどの喜びはありません。
創業者、店主





亜洲’S ORIGINAL JEANS A001XX
亜洲'Sのオリジナルジーンズは、1947年製のリーバイス501XXをベースに、特に当時の縫製にフォーカスして製作しています。私が裁断から縫製までを一人で担当し縫い上げます。試着可能なサンプル30,32,34,36,38,40inchをご用意しております。ご注文から約1~2ヶ月で随時ご予約を承っております。
VINTAGE SEWING MACHINE
裾上げに拘られている方であればお分かりかと思いますが、当時の43200Gミシンのステッチは現代のものとは違います。1947年モデルのデニムは、8種類のミシンによって縫われます。1本針本縫い、2本針本縫い、ロック、1本針環縫い、2本針環縫い、ボタンホール、ベルトループ、帯び入れ。これら全てのミシンが約100年前に稼動していたヴィンテージミシンであり、これら一機一機が縫い出す糸目の雰囲気はすばらしいものがあります。
1947 MODEL
亜洲'S オリジナル A01XX は、501XX 1947年モデルをベースにしました。そして股上を現代のものにアップデートしたパターンを採用しています。