ジーンズチェーンステッチ

価値と歴史

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Chain Stitch

Double Locked Stitch

1851

Levi Strauss and Companyがジーンズ(Overalls)を作り始めたのは、縫製工場長初代としてMr. Jacob Davisを迎えた1873年頃と言われます。

しかし、その20年ほど前の1851年、縫製仕様であるチェーンステッチは、ダブルロックステッチ(Double Locked Stitch)という名称で技術特許(Grover&Baker, U.S.A)が認められていたようです。

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UNION SPECIAL
Double Locked Stitch

裾のアタリ、パッカリング、うねりや捩れの表現

チェーンステッチでジーンズの裾上げをすることは、この「表現」を手に入れることだと思いますが、1900年代初頭のLEVI STRAUSS AND COMPANYが採用していたこの縫製仕様は、基本的に次の条件で行なっていたようです。

machine; UNION SPECIAL MACHINE CO.,

stitch; Double Locked Stitch

​*画像;当社が使うUnion Special 43200G, The Edgelock Machine for hemming overalls, double locked stitch.

Double Locked Stitch(Chain Stitch), Union Special Corporation, Levi Strauss and Company

チェーンステッチ、ダブルロックステッチと呼ばれる縫製仕様は、特許文言を借りれば「上糸と下糸、そして下糸同士が結びつくダブルロック縫製」を意味する。

1800年を境にミシンsewing machineの機構が基礎考案されて、第二次産業革命直前には自動化のアイディアが芽生えていた。

1851年にDouble Locked Stitch特許が初めて広告され、1865年からの産業革命によりスピードとパワーアップの条件が整う。

1897年にはUnion Special CorporationがDouble Locked Stitchのミシン機構特許を持ち、同時に1898年にはLevi Strauss and Companyがミシンを電動化。この後10年以内のどこかで、Levi社はチェーンステッチをジーンズに採用している。

 

1903年Levi社は二代目工場長Mr.Simon Davisに代わり、1906年サンフランシスコ大地震からの復興、1914年第一次大戦勃発から国家的な産業力工業力の発展機運が高まり、1915年PPIEパナマ太平洋博覧会(Union special Machine Co., , Strauss, Levi and Co., Universal Button Fastening & Button Co.,出展)で復興と国力をアピールする。

1917年に対独アメリカ戦線布告と同時に、商務省標準局主催会議(The Second Annual Textile Conference)でUnion Special Machine Co.,のMr.S.George.TATEが「ミシンとその縫製について(Sewing machines and machine-made stitches)」論文発表している。

(内容一例;Sewing machines and machine-made stitches by S.George Tate, Union Special Machine Co.,)

ミシンと特許の歴史、時代の縫製能率(1800年代は30針/分)の推移、特許取得者の紹介、ミシン縫製の用途拡大、ミシン縫製の必要条件(強度、伸縮性、引張応力にも解けないこと)、ミシンステッチの端末処理waxing、Double Locked Stitchの特徴メリット6点(より高い強度、伸縮性、安全性など)

こうしてあらゆる方面、用途へのミシン縫製の適応性を認め、その強度、縫製スピードの有用性が国家標準になっていく。

技術、用途、大きな需要、時代(戦争)、それら立役者と、全ての条件が揃った必然だろうか。

(結論)

1851年頃に完成したDouble Locked Stitchは、その後50年で国家的な量産性と技術開発をほぼ完了し、1900年代には軍用に耐えて国家標準規格整備まで進んでいく。

当時からパッカリングとアタリの表現的価値を内包した状態で、更に20世紀100年を経過し、第二次大戦前には存在していたであろうUnion Special43200Gはチェーンステッチを縫製しており、EDGELOCK MACHINEとしてほぼ170年の伝統ある縫製仕様を伝えている。

ミシンとジーンズ縫製の歴史的観点からも、Double Locked Stitch, Union Special社, Levi社そしてUnion Special43200G sewing machineで形成されるedgelock縫製は、価値の高い伝統技術と言えるだろう。

*当社はこのUnion Special43200G初期型で、チェーンステッチ裾上げを行なっています。
*Union Special43200G; 上糸eyed-point針が生地に対して斜めに入る為、レングスに対して直角方向に、裾巻きに捻れを加えながらステッチしている。これが裾にパッカリングとアタリを起しやすくしており、その捻れは実際に目で見る事ができる。vintageジーンズにdouble locked stitchを施すspec.同様と言えるだろう。

(関連年表)

1790 Thomas Saint(英), single stitch machine, 1本針、針穴と自動送り無し

1800 運針max.30stitch/min.

1830 Barthelemy Thimonnier(仏)、1本針特許

1840 Elias Howe(米)自動ミシン技術開発

1841 木製80基運用、運針800stitch/min.26倍に

1846 Elias Howe自動ミシン特許、運針320stitch/min. Elias Howe Jr.

    ほぼ現代ミシン機構、針上下往復、eye-pointed、自動送り、下糸

1848 カリフォルニアゴールドラッシュ

1851 Grover&Baker(米)double locked stitch特許

1854 別の特許でmachine製造へ

1857,58,60 最初の1本針市販ミシン、James E.A.Gibbs特許

1861-1865 南北戦争

1865-1900 第二次産業革命(石油、自動車、電機、飛行機)

1890 電化

1897 Looperメカニズム特許素案ファイル(Unionspecial社)

1898 Leviミシン電動化

1898 米西戦争

 

1903 Levi工場長二代目 Simon Davis

1903 アメリカ商務省発足

1904 Unionspecial, Looperメカニズム特許広告

1906 サンフランシスコ大地震

1906 Levi オークランド工場で復旧。バレンシア工場新設

1911-1915 廉価版デニムにチェーンステッチ採用(既に)

1914-1918 第一次大戦

1915 PPIEパナマ太平洋博覧会(サンフランシスコ)Levi, Unionspecial,

1917 アメリカ宣戦布告

1917 2nd. Annual Textile Conference, Unionspecial社 Tate列席

1917 陸軍用にミシン採用, Unionspecial社

1918 カタログにdouble locked stitchのCLASS12000,12100,12200がラインナップ

1938 43200Gパーツカタログ2nd.Editionが出ている

1939-1945 第二次大戦

(付記)Levi Strauss and Companyのジーンズについて、非常に緻密に精査された詳しい史実をレポートした青田充弘氏の研究書から、上記歴史的背景に目を向けることが出来ました。面識はありませんが、ここに感謝の気持ちを表したいと思います。

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