ジーンズ破れ、穴塞ぎ補修(タタキ)
タタく糸とデニム生地目を揃える。
長持ちさせる裏地の処理。
Embroidering Repair for Tear or Hole
当店のタタキ補修(破れ、穴塞ぎリペア)について
音楽で言えば「リズムを合わせる、調和する」ということ。その次に「表現」を楽しむこと。更にリペアでは「長持ちすること」。この3点を大事にして、タタキリペアを行なっています。
1.リズムを合わせる、調和する
穴や破れを塞ぐ為に打ち込む糸を、デニムの織りに揃える事です。
ジーンズは幾つかのパーツに別れていて、それらを縫い合わせてパンツになるわけですが、パーツ毎に向きを変えて縫い合わせる為に原反の織り目が異なっています。破れた箇所でその織り目は異なるので、当店では出来るだけその織り目に沿って、タタキ糸を打ち込んでいきます。
上記の写真は分かり易い例ですが、生地目、織り目にタタキ糸が揃っているのがお分かり頂けるでしょう。
2.表現
リズムの軸さえ崩さなければ、抜いたり、強めたり、弱めたりという、音楽と同様な自己表現は、楽しさを倍増させてくれます。
糸色をデニム色から遠ざける、色を全く同調させる、タタキ糸目を荒くする。ご要望があれば、ご一緒に表現を考えましょう。
3.長持ちすること
当店でのジーンズリペア全般には、予めこの設計思想を含めています。古民家や神社仏閣を直す宮大工さんのように、見えない所にこそ補修の本質が残されます。
このタタキ補修には裏地を貼りますが、デニム生地よりも「弱い」生地を使います。穴や破れがあるデニムは既に痛み始めているので、それよりも強い裏地(例えばジーンズの切れ端など)を貼ってリペアすると、その接合した境界線付近で原反が負けてしまい、新たに破れが発生し易くなるのです。
「裏地とデニムの強度バランスを取る」、「裏地を織り目に沿って貼る」、「タタキ糸も織り目に沿わせる」という価値、見えにくい所にひっそりとお入れしています。