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ユニオンスペシャル 裾上げ



当店が使っているユニオンスペシャルUNION SPECIAL 43200Gのパーツカタログ表紙です。web archivesで見つけました。

このカタログにはcopy right 1938, second editionとありますから、それ以前から43200Gは存在していたことになります。

まさに100年の伝統ある歴史を生きているmachineです。


面白いのは、"Edgelock Machines, エッジロックマシン"と呼んでいること、"For hemming overalls, jackets, オーバーオールズ(後のジーンズのこと)やジャケットの裾縫い用"、"standard widths of hem 3/8 and 1/2 inch(9.52 and 12.70mm), 標準のヘム幅は3/8と1/2インチ(9.52mm, 12.70mm)"と書いてあります。当店のヘム幅は標準12mmに調整していますので、前述の1/2 inchにあたります。



あなたの見間違いではありません。針needleが斜めに装填されています。

この機構と独特の技術で裾に一定の捻れ応力を「入れる」ことで、パッカリングが起きてきます。(洗濯、乾燥、糸とデニムの縮率の差)

パッカリングが起きた後には、普段の穿きこなしで山と谷の摩耗の差が発生して、経年変化のアタリが出てきます。

デニムの山は擦れ、谷は擦れないという単純なメカニズムです。

(染色の違いで枷染藍染のデニムでは糸が中までしっかり染まり、摩擦しても常にインディゴ色が出てくるので、アタリ濃淡はマイルドになります。)



それでは続いて当店のチェーンステッチ裾上げ事例を見て行きましょう。画像は出来るだけエッセンスの詰まったジーンズを用意しました。



【ヘビーオンスデニム裾上14oz.over】

アイアンハートIron Heart, 25oz.のチェーンステッチ裾上げですが、何が難しいかお分かりになりますか?

ジーンズの両足はinseam, outseamで足を入れる筒状にしているわけですが、デニム生地を重ねているので厚くなっています。

分厚い生地をinseam, outseamで重ねている上に、裾は更に巻いて数倍に分厚くなります。ましてや25oz.笑

当店のデニムでさえ14oz.ですから単純計算で1.8倍も分厚くなります。


通常、ミシンのアタッチメントで生地を押さえて縫っていくわけですが、部分的に相当分厚くなったinseam, outseamに差し掛かると階段を一つ登るようなことになって、時には針がボキッと折れたりステッチが大きく曲がったりしてしまいます。これ、技術的に結構難しい案件なんです。


このような困難さを当店職人は独自の工夫で文字通り乗り越えておりますので、25oz.でもユニオンスペシャルでチェーンステッチ裾上げを完成できます。ヘビーオンスデニムをお持ちの皆様、諦めないでください。


下のフラットヘッドFlat Headや児島もヘビーオンス愛好者が多いですね。20oz.23oz.25oz.の持ち込みも多いです。



【JacobCohen仕様】【表チェーンステッチ2周】JacobCohen仕様チェーンステッチ裾上げ


ご自身で穿かれているジーンズ裾のチェーンステッチをご覧ください。

表側は点々と続く縫製で、裏側に鎖状になったチェーンステッチが続いているのが通常です。


ところがこちらのジーンズ、JACOB COHEN ヤコブ コーエン(イタリア)はその逆になっています。

全てのモデルに対してではないようですが、一つの「デザインステッチ」にしているようです。


チェーンステッチ裾上げ専用機Union Specialは下糸の機構でチェーンステッチ縫製を行います。

しかしこれではJacob Cohenとは裏表逆になってしまうので、ひっくり返さないとできません。

また、裾のヘム巻きは従来通りに内側に巻きますが、上述の通りひっくり返すと、治具を使ってヘムを成形する機械では出来なくなってしまいます。


当店ではこれらの課題を、機械と技術を工夫して処理できるのです。

最初にJacob Cohenと認識していますので、お客様に裾の仕様を伺ってから特殊仕様に入る場合と、標準のチェーンステッチ(裏)にすることもできます。(お客様が気付けない場合もありますので)


チェーンステッチ裾上げと言ってもどれも同じではなく、このようにジーンズブランドのデザイン特徴を見ながら、原型に沿った仕上げを心掛けています。



【歴史あるジーンズの価値を理解しながら チェーンステッチ裾上げ】


Leviですが余り見慣れない白い布タグだと思います。No.2というスタンプとLOT201と見えますね。

XXデニム(Amoskeag)仕様501のラインナップ(No.1)に続いて、廉価版No.2ラインを作る中に、この"201, overalls, 2hip pocekts(9oz. blue denim)"が存在しました。起源は1880年頃のようですが、画像はその「現代.復刻版」ですね。


当時の201はXXデニムではなかったので、写真の(緑)耳は現代セルビッジデニムを採用したものでしょう。

チェーンステッチ裾上げを所望されました。


次のチェーンステッチ画像も同じくリーバイスですが、"MADE FROM WHITE OAK, CONE DENIM"とありますね。

これは初期のデニムAMOSKEAG社から次にCONE MILLS社のデニムに変わり、その最後の工場WHITE OAK工場の生産デニムの証として付けられています。当時、このホワイトオークバージョンを多くの人が求めたと聞く、貴重な一本のチェーンステッチ裾上げです。

現在のLEVIは日本のカイハラデニムKAIHARA(広島)を採用しています。



こちらは、現代のカイハラデニムを採用したLEVIのヴィンテージラインナップ、LEVI'S VINTAGE CLOTHINGから復刻した大戦モデル S501XXです。1944年生産を復刻し、大戦当時の物資統制価格統制下で幾つかのspec.変更をしたモデルとして、人気が高いものです。

裾にはしっかりチェーンステッチが施されています。



【Nudie仕様】【チェーンステッチ】【逃げステッチ】【閂留】Nudie逃げステッチ仕様チェーンステッチ裾上げ


特殊なデザインステッチ、チェーンステッチの裾上げ事例です。ジーンズはNudieヌーディー(スウェーデン)です。

特徴は「逃げステッチ+閂留め」という裾の始末。

裾を一周して帰ってきたチェーンステッチは、最後の所で縫い線をわざと逸れて斜めに走って止めます。

更に、一周したチェーンステッチが交差する付近に「閂留めbartack」を入れています。


当店ではチェーンステッチを入れる機械と、閂を入れる機械と2種類のミシンを使って仕上げていますが、逃げステッチはフリーハンドです。

こうした技法を凝らすのも、出来るだけ原型に近い形に戻す考えがあるからです。


閂はベルトループの上下を留めたり、股の十字付近を補強するために使われる強度の高い縫製です。(下図)


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